何のためにクラウンを入れるのかを、考えてみたいと思います。 つまり、なにゆえクラウンでなくてはならなくて、他の修復物ではいけないのかをです。
 
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 健康な歯を観察すると、歯肉より上の表層にはエナメル質という、人体のあらゆる組織の中で、もっとも硬い石灰化した組織があります。 ビッカース硬度*やモース硬度**で6.5と言われ、宝石のトルコ石や鉱物の長石に似た硬さをもっています。 

 しかしながら、そのエナメル質の硬さが生かされるのも、歯における体の部分に相当する、象牙質の裏打ち(支え)があってのことです。 それがないと、硬いものに在り勝ちの脆さを露呈し、比較的簡単に壊れてしまいます。 その象牙質は、内側にある歯髄が健康であることで、骨と骨髄の関係のように、けっして硬くはないけれども柔軟性を保ちながら、新陳代謝をしつつ、物理的にはエナメル質を支え歯全体をかたちづくっています。

 ”歯に何のためにクラウンを入れるのか?”・・・それは”エナメル質の人工的な再生”に他ならないのであり、ひいてはそれが、歯の健康に繋がることに他ならないと考えています。 ただしそのためには、その内側の処置である、確実な齲蝕処置(虫歯治療)及び根管治療と、必要に応じたダウエル コア***の装着が前提条件になります。(大)

 *ビッカース硬度:工業材料の硬さを表す尺度の一つ。 押し込み圧力に対する堅牢さ。

 **モース硬度:鉱物の硬さを表す尺度の一つ。 引っかき傷に対する抵抗力。

 ***ダウエル コア:ダウエル(dowel)は、1 《木工》合せ釘、目釘。 2 だぼ、丸い棒。 3 《歯》合釘(ごうてい)《人工の歯冠を歯根に接ぐ金属棒》;《一般に》細くて丸い棒。/コア(core)は芯。/メタル コアは保険用語。

 PS;確実な齲蝕処置とダウエル コアに関しては、別の機会に後述します。根管治療に関しては既述済です。