基礎治療が済むと、いよいよ歯の詰め物やかぶせ物を作っていく訳ですが、今回はいくつかある材料の中の1つ、セラミックについてお話しさせていただきたいと思います。

 セラミックは、1960年代頃から金属に代わる、審美性を求められる部位(特に前歯等)に使用する物として、開発、研究されてきました。医療の世界は日々新しい知見や材料が開発され、どんどん進化していきます。当院では、その時点で患者さんにベストなものを選んで使用しています。

 現在当院では、3種類のセラミックを使用しています。それぞれに色々な特徴、利点、欠点があるのでそれらを比較しながら説明していきます。

 1.材質と硬さ

 1)陶材焼付鋳造冠(メタルボンド)
 金属のフレームに長石を主成分としたセラミックを築盛し窯で焼いて製作します。中に使用する金属のフレームは主に貴金属(主に金、白金)を使います。この長石という素材は歯のエナメル質に近い硬さで、曲げ強度約90Mpaです。

 2)二ケイ酸リチウムガラスセラミック(e-max)
 金属は使わず、主成分は二ケイ酸リチウムガラスという材料を加圧して強度を増し製作します。これは、ご自身の歯よりも硬く、曲げ強度約300~400Mpaです。表層にセラミックを使用するときは、ナノフルオロアパタイトガラスセラミックというものを使用します。こちらの曲げ強度は、90Mpaです。

 3)ジルコニア
 こちらも金属は使わず、ジルコニアという材料をCAD/CAMという特殊な機械でミリング(削り出して)して製作します。硬さは、曲げ強度約1000Mpaです。こちらは、ジルコニアをフレームで用いて表層にセラミックを築盛して作ることも可能です。築盛用のセラミックは最近開発が進み、高温での処理が可能となり長石を多く含む、天然歯に近いものが出来るようになりました。その場合の硬さは、曲げ強度約90Mpaとなります。

 なお今回お話ししている、材料や製作方法は今現在のもので、これから先どんどん変わっていく可能性があります。

 今回は材質と硬さについてお話ししましたが、硬い=長持ちするというわけではありません。患者さんのお口の中の状況によりどのかぶせ物を使用するのかは変わってきます。次回は、それぞれの利点、欠点をお話ししたいと思います。(tutumisikam)