3.インプラントが何故骨と結合するのか?

 皆さん、インプラントが何故骨とくっつくのか考えたことはありますか?今回はそのメカニズムについてお話ししていきたいと思います。
 
 インプラントは、何か特殊な接着剤を使って骨とくっついている訳ではありません。またチタンと骨が溶けだして一体化して化学結合している訳でもありません。そこには人工的な接着剤を介さずに、骨と限りなく一体化する人間の治癒能力を利用しているのです。以前のブログと重複する説明もありますが、簡単に言ってしまうと抜歯後の治癒過程と同じような過程を経て骨と結合していきます。

 まず重要な要素は、チタンと生体との高い親和性です。親和性とは生体が体内に取り込まれたチタンを、異物として認識せずに拒絶反応を起こさないことです。そのことを利用し、歯科でのインプラント治療以外にも骨折の治療、人工関節、心臓のペースメーカー等にも使用されています。その上チタンは骨だけでなく、軟組織(筋肉や上皮、粘膜等)にも高い親和性があるのです。

 よって埋入されたインプラント周囲のねじ山部分と、表面のサンドブラスト処理された肉眼では確認できない凸凹部分に、新たに出来てきた骨が隙間なく取り囲むことにより、あたかも骨と一体化したかのようにくっつくのです。

 インプラントが骨としっかりとくっつく為には、周囲の組織(骨や軟組織)がきちんと治癒する必要があります。それゆえ、3か月程度の時間をかけて安定するのを待ちます。最近では、インプラントの埋入直後に即時荷重可能という考え方もあるようですが、当院ではより慎重に考える立場を取っています。

 次回は逆にインプラントが骨にくっつかない原因についてお話ししたいと思います。(tutumisikam)