今回は歯周病と全身疾患のその2です。

 3.糖尿病
 歯周病は、以前から糖尿病の合併症の1つと言われてきました。糖尿病の人はそうでない人と比べたときに、歯肉炎、歯周病にかかっている人が多いと言われています。さらに近年、歯周病 になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになっています。つまり歯周病と糖尿病とは密接な相互関係にあります。

 私共、歯科医師は糖尿病の治療こそ出来ませんが、糖尿病と歯周病の相互関係を説明し、歯周病を治療することによって、患者さんの健康に寄与する事が出来るのではないかと考えております。 

 4. 誤嚥性肺炎
 誤嚥性肺炎は、食べ物や異物を、誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで起こる肺炎です。通常は咳き込むことで異物が肺や気管に入ることが防げるのですが、高齢になることによりその機能が衰える為、食べ物と一緒に口腔内の細菌を飲み込んでむせたりした際、それらが気管から肺に入り発症します。 

 誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌だといわれており、その予防には歯周病のコントロールが重要になってきます。

 5.低体重児早産
 低体重児早産は、妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児、および早産の危険度が高くなると言われています。原因は歯周病菌が血中から胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかと言われています。その危険度は、タバコやアルコール、高齢出産などよりはるかに高いのです。

 近年、医学の進歩により様々な事が解ってきています。そして、インターネットなど患者さんが直接情報を知ることもできる中で、私共は正しい情報を発信し、ブレない心で患者さんと接していきたいと思います。(tutumisikam)