今回は歯についてお話ししようと思います。歯の構造は、4つの組織で構成されています。今回はその中のエナメル質についてです。

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   エナメル質とは、歯の1番外側の組織で通常外から見えている部分です。生体の中で最も硬い組織で、その硬さは長石や石英と同等で、身近な物でいうとナイフの刃や鉄のやすり位です。余談ですがエナメル質は非常に硬いので、削るためのドリルはダイヤモンド製です。 

   そんな硬い組織であるエナメル質でも、いくつかの理由で破壊されてしまいます。主な原因は、う蝕や歯ぎしり・くいしばり等があります。

   う蝕とは、俗に言う虫歯のことです。その原因の1つは脱灰で、最も大きな理由は糖分(砂糖) によるものです。口腔内には、多くの種類の細菌(常在菌)が存在しており、1部の菌が糖と反応し酸(乳酸など)を産生します。この酸が口腔内のpHを低下させる事で、歯が脱灰しう蝕となります。ちなみに、エナメル質に限局した虫歯の場合は、痛みがありません。

   もう1つの原因として多いのは、歯ぎしり・くいしばり です。皆さん歯がすり減る原因は、食事中の咬耗だと思われるかもしれませんが、実際は歯ぎしり・くいしばりの方が多いのです。食事中の歯の接触は、非常に短く、強くもありません。しかし、睡眠中は通常時とは比べ物にならない力が歯にかかり、エナメル質を破壊してしまうのです。 

   エナメル質は、歯にとってとても頑丈な鎧の様な物です。しかし、1度破壊されてしまうと2度と元には戻りません。 昨今、歯科界でも極力エナメル質を削らない治療法等も有りますが、究極の治療とは、歯を削ったりしないで済ませる為の、予防ではないでしょうか?(tutumisikam)

PS:なおイラストは、2014.12.03に掲載したものを再度使用しました。