『審美』とは、あくまでも自然に見え、誰がみても(人工的な)歯を入れていることさえ気付かない世界を表現する言葉として、存在価値があるのではないでしょうか?

   つまり、周りの方が治療などしていない自然の健康な歯だと錯覚するほど、周囲の歯や組織に溶け込んでいる状態が、真の意味で『審美』ではないかと考えています。

   ところが世の中では、いかにも歯の治療をしたとわかるような不自然さ、例えば必要以上に白くすることを希望する傾向(はやり。流行。)があります。選ぶのは患者さんですが、以前から私はどうにも賛同しかねています。

   自分は歯の治療をしているんだぞ!とそのことを喧伝しているような・・・あたかもその昔(半世紀以上前)、不要であるのにも拘らず、前歯に金の詰め物や被せ物を入れることを嗜好した、一時的な流行に走った行為にしか見えないのです。

 人にはそれぞれ考え方に違いがあり、最後に決めるのは患者さんですが、敢えて専門家としてひとこと【審美治療】における自らの姿勢、立場について言及した次第です。(大)

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PS:なおこの臨床写真は、患者Oさんの了承を得て掲載しました。