私の父は昭和40年代迄、東京の町で歯科診療所を開業していましたが、1日約120人の患者さんを診ていました。10時間働くとして1人にかけられる時間は平均5分という時代でした。治療自体を簡便にせざるを得ず、説明する時間もなく、患者さんは1時間でも2時間でも待たなければならなかったように記憶しています。

 しかし現在は、希望の多い時間帯を除いて、1週間に1回30分を確保できるようになっています。私どもではこの貴重な30分の時間をできるだけ中身の濃い時間にしようとしています。治療前後で余計な時間をかけないように、拘束時間を前後5分ずつ、プラス10分を目標にしています。

 当院ではアポイント制を名ばかりのものでなく、治療水準をより高いものにする為に必要なシステム(仕組み)ととらえています。治療内容に合わせて、スタッフ(従業員)が打ち合わせをするなど可能な限りの前準備をし、30分をより有効な時間にしようとしています。この為には、アポイント制を守っていただくすべての患者さんの理解と協力がどうしても必要なことをご了承ください。(大)