検診時における、重要なチェック ポイントの1つに【噛み合わせ】があります。

   例えば、❶詰め物が取れたままになっているような場合/   ❷歯がぐらついてきたような場合/   ❸臼歯の欠損を治療せずに放置したような場合/   ❹歯の磨耗が顕著な場合/   ❺食片が歯と歯の間に詰まりやすくなってきたような場合などですが・・・

    それを放置すると、最悪の場合、咬合崩壊(Bite collapse)に繋がっていきます。初期の段階では患者さんに自覚がないことが殆どですが、簡単に言えば、機能しない歯が増える一方で、一部の歯に負担過重が起きてしまっている状態という表現になるかと思います。

 そのようなとき、病態が初期段階で症状が軽度のうちに、適切な咬合調整を加えることで病気の悪化を防ぐことが可能になります。

   この処置は、病気を進行させないようにその根を断つという意味において、言わば我々の仕事をなくするようなものです。

 なぜなら、もし咬合調整をしないで放置した場合、その時間が長ければ長いほど、歯を失う危険性を孕み続けることになり、いずれ大掛かりな治療を余儀なくされるからです。

  本来医療行為は、医療を享受する者と携わる者との信頼関係無くしては成り立たないものです。今回のテーマのように病気の悪い芽を早めに摘む予防治療においては、特にその信頼関係なくしては実現し得ない側面を有していると言えましょう。(大)