根管治療を繰り返してもなかなか根尖周囲の病巣が消失しないことがあります。歯根の先端数ミリの部分は、解剖学的に非常に複雑で歯髄(神経)が毛細血管状の構造をしています。

   そのために欧米などでは、歯を保存するために必要とされる根管治療成功の可能性が低ければ、処置法として抜歯が選択されることも珍しくありません。患者さんが抜歯を受け入れることで、歯槽骨を出来るだけ保存しインプラント治療を優位に進めるという考え方だからです。

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 このような場合、抜歯を回避する手立てとして、根管治療が奏功しない歯根先端および周囲歯槽骨の病巣を外科的に取り除く治療法があり、歯根尖切除術(歯根端切除術)と呼んでいます。

 この施術により病因を除去することができ、さらに経過が良ければ、患者さん自身の歯をより長く使えるようになります。(大)

P.S.この施術の典型的な適応症として、口腔内所見に瘻孔(フィステル、Fistel)形成が見られる場合を挙げることができます。


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