定期検診を続けて受けるからには、誰しも歯の長期的な健康を望むであろうし、具体的には【一本も歯を失うことなく自分の歯を一生使い続けること】が理想=最終目標であることに、異議を唱える人は誰一人として居ないのではないでしょうか!?

   一方、敢えて礼を失して諫言すれば、患者さんは歯に関する限り、非常に楽観的で自己本位だと言わざるを得ません。その理由は、患者さんのほとんどが、自覚症状(自分が感じる不快症状)だけで判断するからで、それは確かにある意味ではやむを得ないことかも知れません。

   しかしながら、それでは遅いのです。今回のテーマについては、このブログを通して、過去に折に触れ幾度となく解説してきました。

 それが何かと言えば、歯科疾患のほとんどは慢性疾患で、個人差があるにせよ、その疾病の初期から中期までは症状が軽く体調によって出たり出なかったりします。対して、症状が顕著になり頻発してくるのは中期以降であって、そうなっては病気を進行させてから治療するようなもので、処置のタイミングとしては遅すぎるのです。

   それでも構わないと言われればそれまでですが 、再生能力のない組織である歯においては、虫歯という謂わば悪い芽を早期に摘むことで、歯そのものや神経(歯髄)を失わずに済み、結果的に歯の寿命を長くすることに繋がります。

 開業以来あまりにも同じ事例の繰り返しに、私たちはここで患者さんとの第二の闘いとして、【慢性疾患への理解】を取り上げざるを得ないのです。

 合理的に思考し簡単に説明すれば、『歯を悪くしたくないなら相手を知って早く治療しましょう!』つまり【早期発見早期治療】、ということになるのです。(大)