インプラント(Implant、人工歯根)治療には、主に以下のような意義があると言われています。それを列挙すると、

❶無歯顎(歯が全く無い方)で総義歯治療では審美、機能の回復及び患者さんの満足が得られない場合。

❷2歯までの中間欠損でブリッジによる修復が可能ですが、それは欠損前後に支えとなる歯が必要であることを意味し負担がかかるうえ、症例によっては無傷の歯を削ることにもなる場合。

❸遊離端欠損(奥に歯が残っていない)では部分床義歯装着が想定されますが、その為にはクラスプ(clasp、鉤、鈎、歯に掛ける止め金)が必要で、鉤歯(クラスプが掛かる歯)への負担が避けられない場合。

 以上は、謂わば欠損形態の違いによる意義の解説になるかと思います。もし患者さんの眼から見た言い方をするなら、

1)総入れ歯が取り外しのないまるで自分の歯のようになり、しっかり噛めるようになった。

2)前後の歯を使わず歯のない所に歯ができた。(健康な歯を使わずに済んだ。)

3)奥歯で力一杯噛めなかったのが嚙めるようになった。

と、こういう言い方になるのではないでしょうか?

 しかしインプラント治療には上記以外に、最も優れていると思われる、最大限患者さんの健康に寄与する点があります。その解説は次回にさせていただきます。(大)