天然歯にかなうものはない! これを否定するつもりはありません。 ヒトに限らず生物が必要なものを進化させ、不要なものを退化させつつ幾星霜・・・、天然の造詣物である歯には敬意を表し、われわれ歯科医療に携わるものは、謙虚に対処すべきであると思います。

 ある先生がおっしゃいました。『最大限の努力と細心の注意を払ったとしても、われわれが作る人工物は、天然歯に比べれば60点だろう。』と・・・

 確かに、継目のない天然歯に比して、歯への適合を考慮し修復物を作らねばならないという時点で、決してかなうものではありません。

 しかしだからといって、所詮かなわないとあきらめてしまうのではなく、天然歯を尊重し謙虚な態度で、かなわないけれども近づけるべく努力することが、人工物の作成にあたって大切なことと考えています。

 この適合に関しては、既に四半世紀以上前から、顕微鏡下で作業をすすめることで、修復物の歯への適合性を限りなく追求して現在に至っており、これからも更にこの姿勢は取り続けていくべきでしょう。(大)