カテゴリ:だいちゃん

 今般、 高齢者の増加にともない、以下のような患者さんに遭遇することが多々あります。 それは循環器疾患を避けるため 、一般的によく言われている『血液をサラサラにする薬 』、すなわち抗凝固剤を常時服用されている患者さんです。   そのような方たちに外科処置を施 ...

   写真のノートは、当院に勤務する歯科衛生士が、仕事に役立つように自分で作った、自分専用の言ってみれば【あんちょこ】です。実は診療の合間に眼に入ったので、勝手に撮りました。あとで持ち主には断わりましたが・・・   広辞苑によれば、【あんちょこ】は『アンチ ...

   先日、永年通院されている患者Yさんの紹介で、ある患者Kさんがいらっしゃいました。   Yさんは、お口全体をひとつの単位として(包括的視野で)みた場合に、問題となっている箇所の一通りの治療が済み、口腔内の健康状態が得られたので、その長期的維持のため約20年間 ...

  患者さんにブラッシング指導をしようとすると・・・   『歯ブラシは何がいいんですか?』   『練り歯磨きは何がいいんですか ?』   歯周病の成り立ちを説明すると・・・   『歯周病には何が効くんですか?』   『何かいい薬は?』等々   しかし残念ながら ...

   この一年、歯科治療という仕事を通して、さまざまな人々そしてさまざまな出来事に出会いました。各種機械メーカー、材料、薬品、内装等各種業者、外注歯科技工所、あるいは歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士等々・・・   以前『116.患者さんを支えるスタッフの連携』 ...

   主として、患者さん向けに治療説明や診療姿勢を発信していこうと、オフィス ブログをスタートしたのが、2014.05.19.でした。それも今回で300を数えることになりました。   始めるに当っての切掛は、開業して30有余年臨床を続けてきて、患者さんへの説明がなんら変化な ...

   GBRとは、Guided Bone Regenerationの略で、骨誘導再生術を意味します。   どんな場合でも、好きなように骨が作れるわけではありませんが 、条件が揃えば無いところに骨を作ることができます。    たとえば抜歯後、しかるべき処置をして条件が揃えば骨が出来ます。 ...

   精密機械の設備を整えそれを使いさえすれば、精密治療が達成されるわけではないことは自明の理です。   まず第一に医療従事者側の問題としてあるのが、機械器具のたぐいは、全ては使う人の使い方次第であり、使って活かしてこそ意味があるということ。   さらに問題 ...

 『そちらでは、歯の診療にマイクロ スコープを使っていますか?』   最近、こういう問い合わせが時々あるようです。それに対し、   『必要に応じて、使っています。』とお答えしています。   使う意味があれば使いますが、何でもかんでも使うわけではありません。と ...

   【枘鑿(ぜいさく)相容れず】という慣用句があります。 枘鑿とは、広辞苑によれば、四角いほぞと円いあなのこと。転じて、物事が互いにくいちがって合わない様子を意味します。 毎日臨床を重ねていると、いろいろな場面でこの慣用句で表したくなるような出来事に遭 ...

 おいしく食べてほしいと作る料理には、調理する人の食べる人に喜んでもらおうという心が込められていると思います。 それに対し、『おいしかった!』、『ごちそうさま!』、という言葉が作った人の気持ちにどれだけ報い、また作ろう、また喜んでもらおうという気にさせる ...

   当然のことながら、診療に際し患者さんはさまざまな希望を訴えます。   歯と言っても身体の一部ですし、ある意味では歯だからこそ、神経質になってしまう部分があるんだろうと思います。   しかしながら、希望は希望としてお話しは伺いますが、その通りにできるかど ...

   現代の世の中の風潮では、『土曜日は休み』という意識でほぼ定着しているようですが・・・ 私共の診療室では、土曜日のお約束希望の患者さんがたいへん多くなっています。そしてキャンセル率が非常に低いように感じています。 おそらく平日は仕事をされ、休みの土曜日 ...

   『審美』とは、あくまでも自然に見え、誰がみても(人工的な)歯を入れていることさえ気付かない世界を表現する言葉として、存在価値があるのではないでしょうか?   つまり、周りの方が治療などしていない自然の健康な歯だと錯覚するほど、周囲の歯や組織に溶け込ん ...

 この表題は、Thomas L. Peacock*が言った言葉の和訳で、原文では〝Prevention is better than cure.〝となっています。   そもそも、 予防の考え方は、病気になってから治療するのではなく、病気にならないようにするという立場から生まれたことです。   しかしそれ ...

 たとえば、1本のクラウンを入れるとき、やみくもにそのクラウンだけを調整し装着することは、けっして賢明な方法とは言えません。 なぜこのようなことを言うかといえば、過去にそういう治療を受けたとしか思えない、臨床例に遭遇することが一度や二度ではないからです。 ...

 今回のブログで、移転再開業に関しては一区切りつけたいと思っています。 移転後三か月が経過しようとしています。かりに私の眼に映る日々の診療室の情景を描写したとすれば・・・  『ゆるやかに時が刻まれているなか、淀みなく診療風景が移ろい流れてゆく様子!』とでも ...

   今回の移転再開業のオフィス作りにおいて、ユニット(歯科診療台)の使い方が旧診療室と比べどのように変わったかというと・・・ 旧診療室では、5台のユニットが同等という考え方で、どのような治療内容であってもその全てで行っていました。それに比べ新診療室では、 ...

       本来“待合室”とは、言葉通り、治療を受ける前に待つ部屋であって、長い時間を過ごす場所ではない筈です。新診療室では、ユニット(診療台)に患者さんの受け入れ態勢があれば、予定時間前でも診療が始まる迄ユニットで待っていただくようにしています。   約 ...

   悪い意味ではなく、医療業務の省力化を図ることで、無駄な時間を費やすことを避け、より中身の濃い治療内容にすることを考えました。   ただしその前提として、常に前準備やいわゆる予習が不可欠であり、それなくしては省力化どころではありません。前もって集めた資 ...

   診療室を作り直すからには、改悪にならないようにと頭を悩ませている時、旧診療室でのさまざまな光景が目に浮かびます。   例えば、スタッフがある患者さんに応対している間、宅配業者の人たちが玄関先で扉を塞いで待っている様子・・・或いはある人は初診の手続き、 ...

   実は芝浦には、Mさんという私の父がわりのような方がいます。年齢的には兄に当たるほどの差でしかありませんが、患者さんでもあり、長年芝浦で仕事をされています。 父を早くに亡くし相談する識者が居ない私にとって(私が一方的に思っていることですが)、まさに父親 ...

   今回の移転再開業に当たり、新たなテナント*を探す際には、天井が高く窓が多くあるような物件を求めました。   内装をお願いした業者さんには、可能な限り既存の内枠を活かし、部屋としてどうしても閉じなければいけないエックス線室、技工室以外はセミ オープンを基 ...

   旧診療室では、人や物の動きを鳥瞰したとき、2人3人と滞ってしまい必要以上に待たざるを得なかったり、所謂〝アイコンタクト〝が効かなかったり、声による情報が伝わりにくかったりと、スムーズな仕事の流れが阻害され、効率的にさまざまな問題を孕んでいました。    ...

     前回のブログで紹介したU建設のIさんには、粒揃いの個性あふれるスタッフが控えています。なかでもU建設のKさんと、T電機のTさんにはお世話になりました。   Kさんは好々爺然とした方で、私の強烈?なストレートをかわしてくださり、常駐してさまざまな面倒をさ ...

   移転再開業は、U建設のIさんという強力なパートナーを得てはじめて成しえたことでした。   本来私が評することは憚られるべきことですが、彼が優れている点は、良い事はよいと例え他人のことでも認める、自分の非を認めるべき時には素直にみとめる、常により良い物 ...

 歯周治療に関して患者さんに理解を深めていただこうとすると、どうしても他の治療内容よりその説明頻度が高まり、しかも一回一回の説明に時間を要することになってしまいます。これは一体どうしてなのでしょうか?   それは歯周治療自体(原因の明確性、治療法、予防の ...

 2016.03.01.堤歯科は、東京都港区芝浦の地にて移転し、再開業いたします。 1983.03.01.に開業して以来33年、地域医療に従事してまいりました。患者さんに信頼される歯科医院をめざし、常に研鑽と起きた諸問題に対する軌道修正を重ねてきた積もりです。 これまでの数々の ...

 一部の患者さんに、『こちらは、歯周治療に力を入れているみたいですね!』というようなことを言われることがあります。その場でそれに対し反論することはありませんが・・・ 私共は歯周治療(以前は歯周病をその病態から、”歯槽膿漏”とも言った。)において、何か特別 ...

   初診で来院された患者さんのなかで・・・歯周病ではないか思われる、ある患者さん・・・   主訴(患者さんの訴え。)は、『最近歯肉からの出血が気になる。』とか、『歯がしみる。』あるいは、『しっかり噛めない。』など、多岐にわたりますが・・・患者さんは薄々歯 ...

  そもそも【症状第一主義】を続けて、のちに問題を起こす恐れはないのでしょうか? こう述べる理由は、患者さんが症状の有無だけで受診の判断をした為、思いの他病気を進行させてしまい歯を失うという症例を、我々がまのあたりにする度かような最悪の事態を避けられない ...

   2014.05.19.にブログを始めてから、前回で250回を数えました。 スタッフの協力で絶やさず続けてこられたと感謝していますし、患者さんからの好感触の反応も励みになっています。そこで区切りの良い記念という訳ではありませんが、今回のブログを上記のテーマで発信した ...

 インプラントは、決して安易に取り組むべきものではないし、決して歯科医院経営のための手段でもありませんが、その有為性に触れずにそれを語ることはできないのではないでしょうか? それが何かといえば、着脱式の義歯に比べ上部構造物が固定できるので、自然な感覚が得 ...

   歯科関連業者や各種営業の方などが、休み時間だからと様々な仕事、依頼、営業行為で急に来院されます。   しかしながら結論を言えば、休み時間には休み時間でやらなければならない事があり、予めお約束をしていただいたうえでの来院をお願いしたいのです。   また ...

 40代の女性。犬歯の唇側転位および低位(いわゆる八重歯。)と開咬(閉じても前歯が咬み合わない。)あり。患者さん自身の審美的要求と、検診時に確認された臼歯部咬合性外傷による問題解決のため、矯正治療を含む包括的な治療を開始した。 臼歯部は慢性的な歯周組織の炎 ...

 前回の私のブログで、患者さんへのお願いを書かせていただきました。それはお約束のこと、歯磨きのこと、そして症状の有無で全ての判断をしないでいただきたいことでした。   そのような患者さんへのお願いをするなら、それに対し、我々歯科医師側がいかなる姿勢を取る ...

 前回の私のブログで、”いま暇だといわれる歯科医院がなすべきこと”というテーマで、お話ししました。暇だと言われる今こそ、必要な時間を掛けることができ、きちんとした治療を受けることができる体制が整ったのだと、理解してほしいという意味の提言をさせていただきま ...

 ここ何年間か、世の中では歯科医院は暇だと言われ、またある統計ではコンビニエンス ストアーよりも多いと言われ、歯科医院経営の難しさが喧伝されています。   振り返れば、私が歯科大学にいた頃(昭和50年前後、1970年代)はすでに、歯科大学が多く設立されていて、先 ...

   いつのまにか総義歯の治療解説で、20回を数えることになりました。総義歯に関しすべてを網羅することは、簡単なことではないし、また私にその能力があるとも思えません。   これ以上は来院のうえでの、説明にさせていただきたいと思っています。   前述した通り、 ...

 ここでいう”調整法”とは、しかるべき手順を踏み必要な時間をかけて作成された総義歯が、一度は良好な経過をたどったのち、時間の経過とともに不具合が生じた際に行われる調整を意味するものです。 前回のブログで、総義歯を口腔内に装着した状態を、ダブルバーガーに例 ...

 口腔内に総義歯を装着した状態をハンバーガーに例え、上から、①上顎口腔粘膜/ ②上顎総義歯/ ③下顎総義歯/ ④下顎口腔粘膜という順で重なり合って、一つの構造体を形成しているというイメージを持つと、幾つかのチェック(確認)機能を働かせることができます。  ...

 総義歯は『水面に浮く舟のようなもの』だと教わりました。  舳(へ)*や艫(とも)**に人や荷物が片寄れば、そちらが水に沈み他方が水から浮くでしょうし、定員以上の人や荷重限界を超えた荷物が乗れば、舟が沈むのは自明の理です。 口腔粘膜は、頬・口唇・歯槽粘膜 ...

     開業当初、医院のマーク(しるし)を決めるに当たって、前回解説した『ゴシック アーチ』をアレンジ(配置。配列。)しました。   その意図は、歯科治療における特徴的なテーマ(主題)である 、『咬合』に関して自分が生涯拠り所とするコンセプト(概念)を示唆 ...

 前回、野球のダイァモンドを使って、顎の動かし方(下顎の運動)の説明をしました。それは普段無意識に行っている筈の顎の動きを、意図的に動かす場合のトレーニングでした。 何故そんなことが必要なのか?と問われれば・・・総義歯をまるで自分の体の一部のように違和感 ...

 これまでの総義歯治療の解説において、咬み合わせに関しては主に顎の位置(顎位、あるいは下顎位。)について述べました。そしてそれは総義歯の吸着と安定に大きく関与すると解説しました。 その際に念頭に置いている顎の動きは(実は動くのは下顎ですが…)開閉運動であ ...

 総義歯治療において、最初に為すべきこと・・・それは治療を始める前に、義歯を受け入れる側である口腔粘膜*が健康かどうかの確認と、健康でなければその治療を加えることだと思います。 そんなことは当然だと思われるでしょうが、意外にも日常見かける義歯の内面に、過 ...

 当然のことながら他の歯科治療と同様、総義歯治療においても、まず診査、診断、治療計画があってしかるべきで、その後治療説明があり、患者さんは納得すれば治療を依頼することになります。それに対し医療従事者が請け負えば、そこではじめて治療のスタートになるわけです ...

 治療用義歯の粘膜面(内面)全体にティシュー コンディショナーを使い、適切に交換していくと口腔内の粘膜全体が、義歯が強く当たった圧痕などなく、ただれや赤みなどの炎症も全くない、あたかも赤子の口の中のごとく、きれいで健康な状態になります。 その健康な口腔粘膜 ...

 前回、総義歯が吸着するメカニズム(機構。仕組み。)に言及したなかで、吸着を台無しにするのも下顎位(顎の位置。)なら、また後押しして確固たるものにするのも下顎位であるという話も合せてしました。   私が過去に実際に治療した、総義歯の患者さんとの臨床経験のな ...

 総義歯が歯肉と吸着(吸いつく。)する為には、実はいくつかの理由と条件があります。けっして”糊(のり)”を使うわけではなく、入れ歯安定剤のお世話になるわけでもありません。 冷たい飲み物等が入った汗をかいているグラスを持ち上げると、いっしょにコースター(コ ...

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