ブラキシズムによって、患者さんがどのような症状を訴えるかというと、歯の痛み(あらゆる種類の痛み、しみ)、歯周組織の違和感(重く熱を持った感じ)、口腔周囲筋群の諸症状(こり、だるさ、痛み)、顎関節の痛みと音の発生、開口障害などが主に挙げられます。

 またわれわれが、いかなる問題が起きているのかを、診査で確認できるかというと、歯の動揺、打診による他の歯との感覚の相違、周囲軟組織の発赤や腫脹、顎関節頭触診時の痛み、咀嚼筋群の圧痛、開口時の下顎前歯部の軌道の乱れ、開口障害、そしてX線検査による歯根膜(歯と歯槽骨の間の0.2mmの組織)の拡大、顎関節頭の変形、偏位などがあります。

 通常、一般人が社会生活をいとなむなかで、食事でいくら硬いものを噛んだり、運動や重たいものを持った際に喰いしばったりしても、せいぜい単位面積当たり10~20kgと言われています。

 しかし、ひとたびブラキシズムが起こると、そこで生まれる力は最大で、単位面積当たり100~200kgにまでなると言われています。その強大な力から、口腔領域の健康を果して守ることができるのでしょうか?(大)