特に自費診療において、その保証を尋ねられることがあります。

　当院では、半年ごとの検診に来ていただいている限りは、その治療費が無駄になることがないようにしています。治療後のメンテナンスができない状態での、保証を求められても応じることは不可能です。

　その理由は、いくら適合性、形態、機能が優れた修復物を装着したとしても、起きてしまう問題があるのです。

　その一つに摩耗が挙げられます。お口の中に、天然歯、金属、セラミックなど、様々な材質が混在していることはよくあることで、それぞれ減り方がまちまちなのです。患者さんには噛み癖もあり、歯ぎしりのようなことも起きます。それに伴う変化に応じて、噛み合せの調整を適宜おこなう必要があります。

　噛み合せが変わり一部に負担が集中すると、修復物の破損、脱離、歯牙の破折、歯髄疾患、知覚過敏、歯周病等、あらゆる歯科疾患の原因になります。　

　二つ目として、汚れが付いた場合、症状がないからと放置すれば、歯周病になっていきます。ご存知のように、歯がいくら健康でも、それを支える組織の病気を予防しなければ、歯を長く使うことはできません。

　三つ目として、齲蝕（カリエス。虫歯。）の問題です。齲蝕に限りませんが、病気にはヒトによってなりやすさとなりにくさがあるので、特に再生能力のない歯では症状の有無に拘らず、早期発見、早期治療が一番です。

　以上の事以外にも、挙げられる理由はいろいろありますが、その記載は別の機会に譲るとして、つまるところ検診をする必要があるということです。これを言うと、来院させるための方便と受け取られる、信用されない、悲しい思いをしたことも一度や二度ではありません。

　しかし自費診療後、検診をしていただくことで、長く使うことができ、私共が何らかの形で保証する可能性がうまれます。（大）