よくある症状に、歯が冷たい水などの刺激に対して痛みを覚え、しかもそれが少し尾を引くように感じる例を挙げることができます。これを通常、『しみる』と表現しています。一般的には、知覚過敏と称されますが・・・

 ”しみ”を主訴として来院される患者さんは、虫歯ではないか?と疑っていらっしゃることが多いようです。しかしその原因はさまざまで、虫歯/ 歯周病/ 歯にかかる強い力/ ブラッシング不足等が挙げられ、臨床的にはそれらが単独であるよりも、複合していることの方がかえって多いのではないかという印象を持っています。

 それぞれ、原因を取り除く治療をすることで解決できますが、そのなかで特に”ブラッシング不足”について触れておきたいと思います。なぜなら、日々の臨床においてそれを解決することが、治療の第一歩であると考えているからです。

 それゆえ歯がしみたら、まずブラッシングが適切に行われているのかを、チェック ポイント(確認事項)に挙げてほしいのです。その辺に関して、衛生士の意見を聴いてみたいと思います。(大)

 いつも予防処置を担当する上で感じることは、患者さんの磨いているという事と、こちらが予防するという意味での磨けているという事に、かなりのギャップ(考え方や意見などのへだたり。)があることです。

 歯科医院などでのブラッシング指導を受けていなければ、それは当然のことかも知れませんが、しみの症状を訴えていらっしゃる患者さんのほとんどの方は、ブラッシングが不充分なのが現実だと思います。

 しみだけに限らず、こちらで正しいブラッシングのやり方を修得し実践していただくと、ほとんどの患者さんに『症状が軽減した!』と言っていただいています。

 歯周病を予防していく上でも、ただ歯医者に通えば予防できるわけではありません。まずは正しいブラッシングで、汚れをしっかり取っていくことが治療への第一歩になると思います。(N)

 PS:知覚過敏の正しい診断は、患者さん自身が信頼できる歯科医師に委ねることを勧めます。