日常臨床において、”歯間ブラシ”に関する質問を受けることが多い印象があります。

   『歯間ブラシはどうなんですか？』『最近よく見かけるゴム製の歯間ブラシは、いいんですか？』等々・・・

   質問には、言外にさまざまな意味合いが含まれるようで・・・その中で歯間ブラシだけで食後の清掃を済ませられれば！？・・・という淡い期待を抱いて、『それでいいですよ。』というお墨付きが欲しいような場合もあるようですが？・・・残念ながらそうはいかないのが現実です。
　
　歯間ブラシは、簡便なせいか患者さんには受け入れやすいようですが、あくまで歯間部に限定した食渣の除去であり、大雑把に歯と歯の間の汚れを取るだけのことで、それ以上でも以下でもないのが実状です。

　そして、何年か前から軸の部分が歯を磨耗させ、それが原因となって虫歯を誘発したり、知覚過敏の原因になるという臨床報告があります。　その問題に対処するために、ゴム製の歯間ブラシが考案されたようですが、とくに刷掃効果が優れているわけではありません。

　前回取り上げたデンタル フロスが、身につけば為害性のない素晴らしい刷掃効果を発揮するのに比して、歯間ブラシはさまざまな問題を抱えているため、その利点欠点を十分に理解して使用する必要があります。ここで実際に指導する立場の衛生士から、ひとこと意見を聴いてみたいと思います。（大）

　食べ物が詰まりやすい、簡単だからと歯間ブラシを好んでいる方は少なくありません。歯と歯の間の汚れを取る分には悪いものではありませんが、歯周病の予防を考えると、ポケット内の汚れを取ることのできない歯間ブラシは、使ったからといって期待できる物ではないと思います。（Ｎ）