7.インプラント治療の利点・欠点

 インプラント治療の利点は、ブリッジや義歯にならなくて済むということではないでしょうか。

 以前のブログでも説明がありましたが例えばブリッジの場合、ご自身の健康な歯を削り、かぶせなければならないのです。要するに、1本の失った歯を回復させる為に2本の歯を削らなくてはなりません。言うまでもなく1度削った歯は、元には戻せませんので、私どもも出来るだけ歯を削りたくはないのです。最近のオールセラミックの歯もだいぶ進化してきていますが、天然歯にはかないません。

 また3本分の力を2本で補わなければならないという欠点もあります。失活歯(神経を取った歯)の場合、歯が折れてしまう事もあります。ブリッジの場合その構造が大きく複雑になればなるほど、ご自身の歯への負担が大きくなります。

 義歯の場合は、装着時の違和感が強く、よく噛めない、話しづらいと感じる方がいらっしゃいます。それ故、患者さんの中には使用しなくなる方もいます。義歯を使用しなくなると、周囲の歯が移動してきて、咬み合わせが変わってしまい顎関節症を引き起こす恐れもあります。

 また鉤歯(義歯のバネがかかる歯)への負担が大きく、その歯はゆっくりと抜歯されているようなものです。その上バネの部分には、食べかすや磨き残しが多くつきやすく、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなります。義歯は、咬み合わせの力を支えるものとしては多少不安が残ります。

 逆にインプラントの欠点は、ブリッジや義歯に比べると治療期間がやや長くなる事と、外科処置を伴う事です。治療期間は個人差がありますが、おおよそ3~6か月程度です。外科処置に関して、好きだという人は皆無でしょう。術中の痛み、術後の痛み、腫れが出るのではと心配されるでしょう。そのような事が起こらないように、極力手術時間を短くし万全の準備をして、患者さんの負担と不安を減らすべく努力しております。

 インプラント治療によって、ブリッジや義歯にならなくて済み、残存歯(残っているご自身の歯)を助けることができるという事が、インプラント治療の最大の利点であると思います。(tutumisikam)