前回、総義歯が吸着するメカニズム(機構。仕組み。)に言及したなかで、吸着を台無しにするのも下顎位(顎の位置。)なら、また後押しして確固たるものにするのも下顎位であるという話も合せてしました。
私が過去に実際に治療した、総義歯の患者さんとの臨床経験のなかで、とくに下顎位の重要性を強く認識することになった症例を紹介し、解説したいと思います。
総義歯が合わず、ときどき歯肉に当たっては痛み、吸着や安定もなく固いものはまず噛めない 。ごまかしごまかし使い続けてきた患者さん・・・
Aシステムにのっとり治療用義歯を作成し、下顎位のリポジショニング*のため下顎義歯の臼歯部を平らにしてしばらく経過を追った処、多分2~3週間経過した頃だったでしょうか、なんと顎の位置が1cm以上も後退したのです。
これはどういうことなのでしょうか?・・・それは何年ものあいだ、本来の(総義歯を安定させるであろう)正しい噛み合わせの位置より、1cm以上も前で噛み続けながら旧義歯を使っていたということです。
噛み合せを修正後、この患者さんの総義歯治療が、満足のいくものになったことは言うまでもありません。この出来事が、総義歯治療における『顎の位置』の重要性を証明していることを、よもや否定する人はだれも居ないのではないでしょうか?(大)
*リポジショニング(repositioning):正常の位置に戻すこと。《医》〈骨などの〉整復(法)、復位。
私が過去に実際に治療した、総義歯の患者さんとの臨床経験のなかで、とくに下顎位の重要性を強く認識することになった症例を紹介し、解説したいと思います。
総義歯が合わず、ときどき歯肉に当たっては痛み、吸着や安定もなく固いものはまず噛めない 。ごまかしごまかし使い続けてきた患者さん・・・
Aシステムにのっとり治療用義歯を作成し、下顎位のリポジショニング*のため下顎義歯の臼歯部を平らにしてしばらく経過を追った処、多分2~3週間経過した頃だったでしょうか、なんと顎の位置が1cm以上も後退したのです。
これはどういうことなのでしょうか?・・・それは何年ものあいだ、本来の(総義歯を安定させるであろう)正しい噛み合わせの位置より、1cm以上も前で噛み続けながら旧義歯を使っていたということです。
噛み合せを修正後、この患者さんの総義歯治療が、満足のいくものになったことは言うまでもありません。この出来事が、総義歯治療における『顎の位置』の重要性を証明していることを、よもや否定する人はだれも居ないのではないでしょうか?(大)
*リポジショニング(repositioning):正常の位置に戻すこと。《医》〈骨などの〉整復(法)、復位。
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