今回は、エナメル質の下に存在する象牙質についてお話ししようと思います。

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   象牙質は、歯の構造の中でいわば体幹をなすもので、骨よりは硬く、エナメル質よりは柔らかい組織です。故にう蝕(虫歯)がエナメル質を越えて象牙質に達してしまうと、急速に進行してしまいます。ちなみに話は逸れますが、いわゆる象牙は、実は組織学的にはエナメル質なのです。

   その構造は、象牙質全体を象牙細管という細い管が走行しています。そして内部には歯髄と呼ばれる歯の神経があり、この歯髄まで虫歯がすすむと、ズキズキと痛んできます。象牙質は、エナメル質より弾力に富み、歯にかかる衝撃で歯が割れてしまうのを防ぐという大きな役割があります。

   俗に言う知覚過敏とは、この象牙質の部分で起こります。通常は歯肉の中に隠れている歯根部の象牙質が、歯周病や歯ぎしり等が原因で歯肉が退縮し露出して、刺激に対して敏感になることをいいます。その状態が続くと、歯髄炎になってしまう事があります。

   大抵の虫歯は、表層のエナメル質の穴は非常に小さく針の穴程度で、その下の層の象牙質は、大きく穴が開いていることがあります。見た目では全く分からなくても、以外と虫歯が進行していることはよくある事なので、定期的に検診でチェックをする事が重要です。(tutumisikam)

PS:なおイラストは、2014.12.01/03に 掲載したものを再度使用しました。