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 今般、 高齢者の増加にともない、以下のような患者さんに遭遇することが多々あります。

 それは循環器疾患を避けるため 、一般的によく言われている『血液をサラサラにする薬 』、すなわち抗凝固剤を常時服用されている患者さんです。

   そのような方たちに外科処置を施行する場合、止血しずらいという問題のため、主治医の許可を得て約一週間前から抗凝固剤の服用を止める場合があります。

   しかし循環器疾患が起きる恐れが懸念される場合はその限りではなく、その場合の対処法として・・・

   『PT-INR値*で、外科処置の是非を判断することができます。PT-INR値が2.0以下であれば理想的、3.0未満なら歯科で通常行う圧迫止血で対処でき、抗凝固剤の服用も続けられ、全身状態を懸念することなく外科処置が可能になります。』

   先日、早速上記のような症例に対し、PT-INR値を拠り所にインプラント手術を施行し、その後問題なく経過し現在まで約一か月半が過ぎようとしています。(大) 

PS:この知識は以前当院に勤務され、現在S県で開業のY先生を通し、NS大学麻酔科から御教示を得ました。

*PT-INR値:プロトロンビン時間を意味し、血液凝固因子の指標で、凝固異常を判定する検査。正常値は1.0と言われている。