痛みや腫れなどがあって来院された患者さんに対し、通法にしたがい診査、診断をした結果、やむなく抜歯という判断になる場合があります。

 誤解のないように説明しますが、今は歯をそう簡単には抜かない時代ですし、複根であれば根を一部残す等保存する治療法があります。それでも周囲の歯に与える影響や歯槽骨保存を考慮する立場から、どうしても抜歯せざるを得ない事態に陥ることがあります。

 それを患者さんに説明し、それに対し同意を得治療依頼があったので、お約束を決めます。急性症状がある中での外科処置は禁忌であるため、急性症状に対し通常行う対症療法として、投薬及び負担軽減療法を施します。

 当日器具を確保し消毒して準備します。にもかかわらず、『来院されない。』『症状がなくなったので抜歯したくない!』『抜歯しなくてもいけるんじゃないか?』等、患者さんがかような反応をされることがあります。

 ここで問題となる点は、ほとんどの場合、間違いなく後日再発するということ、そしてその時は一回目より状態がさらに悪化しているということです。

 よく抜歯の処置を受け、大変な目にあった、いつまでも痛かったし顔が腫れた、という話を聞くことがあります。そうなる原因がどこにあるかと言えば、
❶   急性下で処置を受けた。
❷   何回も炎症を繰り返してこじらせた。
という場合がたいへん多いのです。

 歯に関わる健康のため、どうすることが賢明であるかは、いまさら言うまでもない事ですが、皆さんはどう思われますか?(大)

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