今回は、歯科治療で使用する金属についてお話ししようと思います。

   一般的に、健康保険で使われる金属は、金銀パラジウム合金と呼ばれる銀合金が主流です。健康保険で出来るということではメリットと言えるかもしれませんが、問題点もいくつか挙げられます。

   1つ目は、金属自体の劣化(腐食) です。銀合金なので必ず起きてしまう現象で避けられません。腐食を起こすと、金属と歯との間に隙間ができて二次齲蝕の原因となります。日々の診療で感じる事は、銀合金のやり直しが、ご自身の歯の寿命を縮めてしまっているなという事です。

   2つ目は、金属の加工精度の問題です。 他の金属やセラミックと比較をすると、金属と歯との適合性があまり良くないという事です。隙間があれば、その部分から虫歯になったり、汚れが溜まり歯周病になったりする事があります。

   3つ目は、金属アレルギーの問題です。ここ最近テレビ等でも言われていますが、口腔内の金属が金属アレルギーの原因となっているという事です。口腔内の金属は、24時間、365日存在しており、その金属からは金属成分が流出し続けているのです。

   問題点を挙げればキリがありませんが、以上の理由から銀合金はあまりお勧めできません。詳細は担当医にご相談下さい。 (tutumisikam)