歯石除去が決められた時間の中で行うものではなく、付着状況に応じて時間、回数が必要だというお話をしました。それならその歯石がどこにどのように付いているのかを、可能な限り詳細に確認すべきであることは自明の理かと思います。その為には、ポケット(歯と歯肉の間の溝)検査が不可欠です。 

 歯周病の診査にもいろいろありますが、一般的に知られているのはポケット検査でしょう。でも受けたことはあるけど、あのチクチクするやつ、という程度の患者さんの認識。何のためにやる必要があるのかの説明から入って、何とか了承していただき、いざ始めようと思ったら、それって保険でできる検査ですか?という悲しい質問!(???)

 当然ですとお答えしています。簡単に言うと、その部分のポケットの深さが3mm(ミリ)以内ならほぼ健康で歯石がおおよそ無いということ、4mm以上なら歯周病が起きており歯石が存在する可能性大で、数値が増すほど病気が進行していることを意味します。治すには、すべての部分を3mm程度にする必要がありますが、自然治癒はありません。

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 当院では、ポケット検査の時、患者さんに参加していただいています。どういうことかと言うと、検査の前に、3以下だったら安心、4以上だったら歯周病、数字が多いほどよくありません、と前置きして、1人の衛生士が声を出して計測、もう1人が記録。聞いていた患者さんが、検査が終わるころ、ご自分で『悪いですね!』と評価されます。

 要は、何の為にするかということがわかれば、患者さんの方から診査の希望と結果の説明を求めるようになります。治療後、深かったポケットが浅くなったことを確認され、満足し安心してお帰りになるわけです。でもその為には、病気になるのに時間がかかった分、治すのに時間(回数と期間)が必要になります。(大)