先日あるニュースで取り上げられていましたが、『外国人が日本人と接し、”口臭”で不快な思いをすることが、かなりある。』とのことでした。

　そこで約35年間歯科臨床を続けてきた者として、率直に意見を述べさせていただきますと・・・

　【口臭はあって仕方ないものではなく、健康であれば無いのが当り前であるということです。】

　口臭の主な原因には、❶虫歯／　❷ブラッシング不足／　❸口渇／　❹歯周病／が挙げられるかと思います。それぞれ、１）きちんと虫歯の治療をする。／　２）ブラッシングを徹底する。／　３）原因となっている鼻炎、風邪等の治療をし、口をすすいで潤す。／　4）きちんと歯周病の治療をする。／のような対応になるわけですが、中でもその原因除去に時間を要し、治療に困難を伴い、患者さんの理解を得にくいのが、❹の歯周病です。

　なぜかと言えば、歯周病が慢性疾患であるからで、つまり症状が出にくいことが患者さんの腰を重たくしているように思います。体調不良時に症状が出ても、それが一時的で、体調が回復すれば症状が隠れてしまい、患者さんはそれをいいことにどうしても嫌いな歯科治療に消極的になりがちです。

　また在ってはならないことですが、治療を施行する歯科医院側に問題があることも残念ながら否定できません。患者さんの訴えがなければ、それをいいことに良しとしてしまう姿勢は医療従事者が謹むべきである筈です。

　そもそも、近年、世の常で、何でも楽な方に走ろうとする傾向があるように感じていますが・・・

　この場合の典型的な例として挙げられるのが、患者さんから簡単に治せる方法はないのかと問われることです。

ex.Q.1:◯◯はどうなんですか？
ex.Q.2:◯◯は効きますか？

　さあ果して、こんな場合に”簡単に治せる、いい薬”があるのでしょうか？（つづく）（大）