インプラント治療が成功するための、いくつかある重要なポイントの一つに、いかに感染を防ぐかという項目があります。それには患者さんの協力が不可欠で、ご理解をいただく為には前置きから説明する必要があります。

　術前、２～３日前から想定されるあらゆる事象をかんがみその準備を徹底させます。先ず資料に目を通し、手術に関するデータを自らにイン プット、資料のポイントや起こりうる状況をスタッフに指摘しつつシミュレーションを行います。

　前準備として、使用する可能性のある器具を確保し不具合がないかもを確認し、滅菌します。

　術中は滅菌された器具の無菌状態の維持徹底を心掛けながら、インプラントを植立し骨との初期固定を得ます。

　さてこの後通常、例え痛みや腫れがなくても術後の感染防止のためには、一週間の投薬は不可欠です。その後、もしわずかでも症状がある場合は感染の恐れがあるため、投薬の延長が必要になります。

　しかし、患者さんの中には、説明したにもかかわらず、痛くも何ともないからと一週間の服用をしない方や、我慢できる痛みだったからと投薬の追加を受けない方がいらっしゃいます。

　インプラント治療では何よりも感染を防ぐこと、成功の為にはこれが第一義であり、そのためには薬の服用は指示どおりに従っていただくことがどうしても必要になります。（大）