歯周病向けのブラッシングをする際、その歯ブラシの持ち方はペンホルダー グリップ(鉛筆を持つように握る)がふさわしいと言われています。その理由は力を必要としないからです。

 どちらかというとヘッド(歯ブラシのブラシ部分)を効かせるという意味では、金槌で釘をうつ時のような(手元は最小限の力、頭の部分は効率良く力を発揮する)感覚で、毛先をポケット内に挿入する必要があります。そのためにはあまり力を入れて握ると上手にできません。とくにシェイクハンド グリップ(握手をするように握る)は適切ではありません。

 さらに付け加えたいことは、ブラシを充てる場所により、いろいろな指を使って押す必要があります。おもに親指、人差し指、中指が使われます。押すためにも持ち方が大切になります。ここで衛生士に治療中に感じた印象を交え、よく見られる例をあげて説明させたいと思います。(大) 
 
 ブラッシング指導をしていてよく思うことは、実際に患者さんに磨いてもらうとブラシをギュッと力いっぱい握って磨いている方が多くみられます。

 歯周病治療に合った磨き方では、ブラシは握るのではなくペンを持つ持ち方を勧めています。しかし、ペンを持つ持ち方でも手首から指先まですべてに力が入ってしまうと、本当に力を入れたい指先に力がうまく伝わらないし、手首が固まっているので微妙な角度がつけられず、ブラシを思うように動かせなくなってしまいます。

 何よりも疲れてしまい長くブラッシングするのが難しくなります。どんな道具でも一緒だと思いますが、歯ブラシも1つの道具なので上手く使ってもらいたいです。(N)