ブラッシングをマスター(修得、熟達)してある感覚を経験すると、歯を磨かずにはいられなくなる境地に達することを皆さんはご存知でしょうか?

 それはお口のなかが健康で、この上なく心地よい(comfortable)感覚を一度でも経験すると、いつもその状態にしておきたくなる境地です。

 ブラッシングが行き届いて、歯肉に全く炎症がないと、口臭、歯肉の違和感、変な味、唾液のネバネバ等が皆無で、さっぱりとして爽やかそのものだということを、皆さんはご存知ですか?

 このような感覚を知っている方が、もし外で食事をしてしばらく歯を磨くことができないと、歯肉がむず痒くなったり、唾液がねばついて、歯を磨きたくなってどうしようもなくなり、洗面所を探すことになるのです。

 このお口のなかのユートピア(理想郷)とでも言えば、ふさわしいと思われる”健康観”を、患者さんにはぜひ知っていただきたいと、思わずにはいられない毎日の臨床です。(大)