
これは当院に通っている何人かの患者さんの、実際に発せられた生の言葉です。
近年、歯軋りおよびその仲間(総称してブラキシズム**という。)による歯科疾患が、虫歯や歯周病と並んで増加しており、今や歯科の三大疾患と言ってもいいぐらいの状況になってきていると思われます。
ブラキシズムが原因と思われる歯科的症状には、❶アブフラクション***/ ❷歯の破壊/ ❸歯の部分的破折/ ❹歯の破折/ ❺歯肉退縮/ ❻歯の内部破折/ ❼歯の動揺/ ❽歯の喪失/ ❾歯根露出/ ➓知覚過敏/ ⓫歯の移動/ ⓬歯の磨耗などが挙げられます。
またわかりやすい実際にある臨床例をあげれば、
①装着した修復物の脱離で再製作を余儀なくされる。
②歯の神経(歯髄)を保存して修復したのにも拘らず、歯髄の炎症(化膿など)で抜髄(歯髄除去)になってしまう。
③歯根破折から保存不可能と判断され抜歯せざるを得なくなる。(現在、歯根破折に対する治療法はない。)
など患者さんとの信頼関係さえ失いかねない状況が起こりうる訳です。
そこで私共では、ナイト ガードと称する歯軋りから歯を守る装置を夜間お使いいただき歯の健康に結び付けていただいています。(大)
*ナイト ガード:おそらく夜間装着頻度の高さから言い表される、健康保険で使われている言葉。論文などでは、オクルーザル スプリント(嚙み合せの為の副木、添え木。)あるいはスタビライゼイション装置(stabilized appliance:安定させるための装置。)の言葉が使われている。
**ブラキシズム(Bruxism):誰でも一度は耳にしたことがある、あのキリキリと音を発する歯軋りや、その仲間の総称です。グラインディング、クレンチング、タッピングの三つに分かれます。
***アブフラクション(Abfraction):喰いしばりや歯軋りなどの強い咬合力が原因で、歯と歯茎の境目(歯頚部)に引っ張り応力が集中し楔状に発生する欠損。
コメント