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 口腔清掃において、歯ブラシの使用に加え、補助的清掃用具としてデンタル フロスを組み合わせ、二本立てで行う清掃法が最もお勧めできる優れた方法と考えています。

 しかしながら患者さんにとって補助的清掃用具の一番人気はなんといっても歯間ブラシのようです。おそらく簡便性から来るものと思われますが、①歯間空隙のごく狭い範囲の清掃に限定される。/②過度の使用による歯牙側面の磨耗。/という点で問題があると言わざるを得ません。

 口腔清掃は、要は周囲組織を傷つけることなく汚れが落ちればいいのであって、その為にはすみずみまで汚れているところに何らかの清掃具を届かせる必要があり、そこで機械的に取りのぞくことがクリーニングの全てであると言えます。

 一本の歯ブラシでも時間をかければ、汚れの全てを取り除くことは可能でしょう。しかしそこでデンタル フロスを正しく応用することで、歯間において効率の良い広範囲の清掃が可能になり、かなりの時間の節減になることをご存知でしょうか?

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 デンタル フロスの持ち方ですが、手の場合は、❶使用する人の指先から肘までの長さを目安にして切り取ります。/❷その約30~40cmの糸の両端1/3ずつは両中指に巻き付けるために使い、真ん中1/3は両の親指、人指し指を持ち替えながらフロッシングします。/

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 また器具使用の場合は、写真のようにホルダーに糸を巻きつけて使います。何より片手でフロッシングができることが利点で、奥歯のフロッシングが難しい方でもホルダー利用でやりやすくなるようです。ちなみに糸がほつれたら巻き方をかえ位置をずらして使用することができます。

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 上図は、日々の診療の中でデンタル フロスの説明に使っているシェーマ(Schema)ですが、
 1⃣ 糸楊枝は糸を張っている長さが短く、歯の間を簡単に通すだけになる。(図a)
 2⃣ デンタル フロスは押し付けると薄く拡がることを利用しポケット内まで入れられる。(図b,c)
 3⃣ 歯の形は単純ではない。例えば下顎前歯の場合上から見たとき円ではなくおむすび型。(図d,e)
 4⃣ 複雑な形をした歯の側面に対しデンタルフロスを圧接しつつ上下に動かすことで、歯肉を傷つけずに広範囲の汚れの除去が可能になります。(図f,g)(大)