ここでは当院で実際に行われている、外科手術の風景をご紹介しましょう。

　歯周病を治すため、数か月の初期治療終了後、歯周ポケットの深い処に残っている歯石を取るために行う外科手術で、最も一般的な場合です。

　手術を受ける方は、プラーク コントロール（歯磨き等による歯垢抑制）をマスター（修得）しているはずですが、手術前では特にそれを緩めず、徹底するようにお願いしています。理由は、前回の初期治療が外科手術に与える影響で述べました。

　当院では、休み時間後の１５：００～１７：００の２時間を手術時間にあてています。それはスタッフとのミーティング（打合せ）、治療器具、器械の準備、そして次の手術のためのきちんとした片付けには、最適な時間と時間帯だからです。

　ミーティングでは、いままでの治療経過、データ（数値、資料）の確認、解剖学的知識のおさらい、手術の際に予測される出来事を想定した、シミュレーション（模擬体験）をしておきます。これによってスタッフは、さまざまな事態に対応可能な心の準備ができ、落ち着いた気持ちでその時間を迎えることができます。

　準備では、使用が予測される器具、器械の確認、整備、消毒、滅菌を十分に行います。その際スタッフは各々シミュレーションをもう一度することになり、意外と忘れていることに気付いたりします。

　片付けも、言ってみれば手術の一部です。次の手術のためにきちんと片付けることが、その医療機関の治療水準を高く維持するために、必要不可欠であることはご理解いただけるかと思います。（大）