歯科における【包括治療】の意味を考えるとき、直訳すれば『歯科にかかわる全てのことを一つに合せひっくるめた治療』となりますが、それは何でもかんでも全体的に手を付ける(治療する)という意味ではありません。 患者さんが受診するには、主訴*があるわけで、それを ...
カテゴリ:医療理念
507.古希
四十、五十は洟垂れ小僧 六十、七十は働き盛り 九十になって迎えが来たら 百まで待てと追い返せ 渋沢栄一 この5日に、古希を迎えます。日々、歯科診療あるのみです。 もうこれでいいとは思わず、もっと他により良いやり方があるんじゃないか、自分の知らない何か ...
504.話すときは、ひとの眼を見て話す!?
話すときは、相手の眼を見て話しなさい。世の中でよく言われていることであるし、自分も親からそう教育された記憶があります。 眼を見て話せば誠実さが伝わるし、嘘のない話として信用できると言われています。 しかしながら歯科医師と患者さんという関係からすると、前 ...
498.グーグルの口コミに投稿されし二件の批判に物申す!2⃣
矯正の患者さんは、治療中のある時、親戚の方が歯科医師で口の中を見てもらい『虫歯ではないか』と言われた、というのです。 それに対し、こちらは診察の上、下顎左側第一大臼歯に仮の歯が入っておりその辺縁部分に露出している象牙質の黒褐色部を指している様なので、フ ...
497.グーグルの口コミに投稿されし二件の批判に物申す!1⃣
まず初診の患者さんですが、右上の部分に痛みを感じることと歯石除去希望で来院され、幾多の質問に対し一つ一つ丁寧に時間をかけおこたえしたわけです。 痛みに関しては、痛みを感じる原因に虫歯、歯周病、ブラキシズムがあると説明し、Ⅹ線で前二者の可能性が低いので後 ...
450.歯に関わる真の健康を身につけたいと思っている方へ(歯科界を改革する為には)
初めにお断りしておきますが、これから書くことは、私の診療室に来ていただくことを目的として書くわけでも、不必要な治療への誘導を目的として書くわけでもありません。 わたくしの望みは、一歯科医師として、全く【なっていない】日本人の歯や歯に関わる健康意識とその ...
432.矯正治療の有意性ーその最たるものー
矯正治療は、歯並びをととのえ、見た目を良くするという点だけが注目されているようです。しかしその実、有意性の最たるものは別の点にあり、それが歯の長期的健康維持につながるということを、果して皆さんはご存知でしょうか? 例えば、総義歯症例において、その研究用 ...
431.あなたには・・・Ⅱ(日本の歯科治療事情が良くなる為に!)
あなたには、歯の健康を安心して任せられる歯科医師がいますか?・・・ 前回、このような問いかけで始まるブログを発し、歯科医療従事者側と患者さん側との間に根強い不信感が存在することを問題提起し、もっと歯科医療従事者側が信頼を得るべく努力しなければならない、 ...
430.あなたには・・・Ⅰ(日本の歯科治療事情が良くなる為に!)
あなたには、歯の健康を安心して任せられる歯科医師がいますか?・・・それは、歯に関わる健康管理を、そのすべてにおいてという意味ですが・・・ わたしがこのような問いかけをする理由は、わたしたち医療従事者側と、あなたがた患者さん側との間に、いまだに根強い不信 ...
428.堤歯科における企業努力
今回は、堤歯科における企業努力についてお話ししたいと思います。 堤歯科では、些細な事でも問題が起こった場合に、それを改善すべくスタッフ間で、話し合い検討しています。 例を挙げるとキリがありませんが、例えば患者さんとのアポイントミスを無くすため ...
372.果して歯石除去を短時間あるいは短期間で済ませることは可能なのか?
『今日は何時間かかってもいいんで、歯石を取っちゃって下さい!?』 『毎日でも続けて通うので、はやく(早く&速く)終わらせて下さい!?』 というように、患者さんはおっしゃいます。痛み腫れ等の不快症状があれば別なのでしょうが、一般的に患者さんは、歯の治 ...
368.果して歯石を1〜2回の治療で取ることは出来るのか?⑷
歯石除去に限らず全ての仕事において、それをきちんと履行しようとするならば、何よりもステップごとの【確認作業】が肝要だと思っています。 【歯から歯石を取り除く!】という行為を成就せしめるためには、【歯石】を・・・❶前もって確認し、検討し、準備する。 ...
323.スタッフを募集します!Ⅱー歯科衛生士の仕事内容ー
前回のブログで申しましたように、スタッフの欠員に伴う募集に際し、堤歯科が求める歯科衛生士の仕事内容に関して触れてみたいと思います。それは、学校で学んだ知識と国家試験資格を生かし、❶ 歯周病治療の根幹である刷掃指導と歯石除去を正しくきちんと行う。❷ ...
322.スタッフを募集します!Ⅰー寿退社による欠員補充ー
6年勤務したT.がめでたく生涯の伴侶を得たため、欠員補充でスタッフを募集することになりました。 堤歯科は、次に掲げる3つの方針を開業以来守ってきました。❶ アポイント制を守る。(原則1人30分を一単位とし、アポを重ねない。)❷ 残業しない。(週拘束 ...
317.歯科界を憂う・・・を世に問わんや!ー言うべきを言うがクレーマー?ー
最近、【クレーマー】という言葉が一人歩きしているような気がします。 歯科治療を成功させ、患者さんの歯の健康に結びつくように、歯科医療に携わるすべての人間が努めて同じ目的に向かうべきであることは自明の理でありましょう。 患者さんを囲み、歯科医療 ...
316.【スマイル良い歯】の本当の意味
ブログ名を【スマイル良い歯】とすることにした、真の意味について触れてみたいと思います。 我々スタッフが仕事をするに当たって、笑顔で患者さんに接するなど・・・それも確かに重要ではあります。しかし歯と言えども医療である以上、それなりの厳粛さを要求されるもの ...
305.手の施しようが無い?・・・患者さん!?
先日、永年通院されている患者Yさんの紹介で、ある患者Kさんがいらっしゃいました。 Yさんは、お口全体をひとつの単位として(包括的視野で)みた場合に、問題となっている箇所の一通りの治療が済み、口腔内の健康状態が得られたので、その長期的維持のため約20年間 ...
301.歯科界を憂う・・・を世に問わんや!ースタッフ&チームー
この一年、歯科治療という仕事を通して、さまざまな人々そしてさまざまな出来事に出会いました。各種機械メーカー、材料、薬品、内装等各種業者、外注歯科技工所、あるいは歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士等々・・・ 以前『116.患者さんを支えるスタッフの連携』 ...
300.歯科界を憂う・・・を世に問わんや!
主として、患者さん向けに治療説明や診療姿勢を発信していこうと、オフィス ブログをスタートしたのが、2014.05.19.でした。それも今回で300を数えることになりました。 始めるに当っての切掛は、開業して30有余年臨床を続けてきて、患者さんへの説明がなんら変化な ...
293.マイクロ スコープ所感ー死角に隠された落し穴ー
精密機械の設備を整えそれを使いさえすれば、精密治療が達成されるわけではないことは自明の理です。 まず第一に医療従事者側の問題としてあるのが、機械器具のたぐいは、全ては使う人の使い方次第であり、使って活かしてこそ意味があるということ。 さらに問題 ...
292.当世マイクロ スコープ事情
『そちらでは、歯の診療にマイクロ スコープを使っていますか?』 最近、こういう問い合わせが時々あるようです。それに対し、 『必要に応じて、使っています。』とお答えしています。 使う意味があれば使いますが、何でもかんでも使うわけではありません。と ...
285.枘鑿相容れず
【枘鑿(ぜいさく)相容れず】という慣用句があります。 枘鑿とは、広辞苑によれば、四角いほぞと円いあなのこと。転じて、物事が互いにくいちがって合わない様子を意味します。 毎日臨床を重ねていると、いろいろな場面でこの慣用句で表したくなるような出来事に遭 ...
284.喜んでもらうことーその価値と次につながる可能性ー
おいしく食べてほしいと作る料理には、調理する人の食べる人に喜んでもらおうという心が込められていると思います。 それに対し、『おいしかった!』、『ごちそうさま!』、という言葉が作った人の気持ちにどれだけ報い、また作ろう、また喜んでもらおうという気にさせる ...
283.時には患者さんの希望を聞かない事も有り得るーある信念ー
当然のことながら、診療に際し患者さんはさまざまな希望を訴えます。 歯と言っても身体の一部ですし、ある意味では歯だからこそ、神経質になってしまう部分があるんだろうと思います。 しかしながら、希望は希望としてお話しは伺いますが、その通りにできるかど ...
260.アポイント制について
今回は、当院におけるアポイント制についてお話ししようと思います。 当院では、通常1週間に30分程度のアポイントをお取りしています。歯科医院が少なかった頃は、朝から行列ができ1人あたりの診療時間は数分でした。歯科医院が増えて受け入れ体制が整ったことによ ...
259.初診の患者さんにお伝えしたい事 その3
先日、初診の記事を書かせて頂きました。今回は、初診の患者さんの質問を元に、それらにおける当院の考え方について、解説していきたいと思います。 まず初診日の診察ですが、患者さんに今日は何もしないのですか?と聞かれる事があります。以前にもお話した通り、 ...
254.初診の患者さんにお伝えしたい事 その2
今回は、前回に引き続き初診の患者さんにお伝えしたい事をお話ししたいと思います。 前回は、診査診断をしっかりとしてから治療に入るというところまでお話ししました。ではその後の治療はどうなっていくのかを、今回説明させていただきたいと思います。 まず ...
253.初診の患者さんへお伝えしたい事
今回は、初診でいらっしゃる患者さんの事でお話ししたいと思います。 初診の患者さんは、大抵恐る恐るいらっしゃいます。 もちろん当然の事だと思います。痛みや腫れ等の症状があれば尚更でしょう。自分の通う病院はどんなところなのか?担当する医師はどんな人なの ...
252.患者さんが気付かないことを知らせる勇気(2)
そもそも【症状第一主義】を続けて、のちに問題を起こす恐れはないのでしょうか? こう述べる理由は、患者さんが症状の有無だけで受診の判断をした為、思いの他病気を進行させてしまい歯を失うという症例を、我々がまのあたりにする度かような最悪の事態を避けられない ...
251.患者さんが気付かないことを知らせる勇気(1)
2014.05.19.にブログを始めてから、前回で250回を数えました。 スタッフの協力で絶やさず続けてこられたと感謝していますし、患者さんからの好感触の反応も励みになっています。そこで区切りの良い記念という訳ではありませんが、今回のブログを上記のテーマで発信した ...
237.暇だといわれるいま、歯科医師がとるべき姿勢
前回の私のブログで、患者さんへのお願いを書かせていただきました。それはお約束のこと、歯磨きのこと、そして症状の有無で全ての判断をしないでいただきたいことでした。 そのような患者さんへのお願いをするなら、それに対し、我々歯科医師側がいかなる姿勢を取る ...
235.歯科医院が暇だといわれるいま、患者さんにお願いしたいこと
前回の私のブログで、”いま暇だといわれる歯科医院がなすべきこと”というテーマで、お話ししました。暇だと言われる今こそ、必要な時間を掛けることができ、きちんとした治療を受けることができる体制が整ったのだと、理解してほしいという意味の提言をさせていただきま ...
233.いま暇だといわれる歯科医院がなすべきこと
ここ何年間か、世の中では歯科医院は暇だと言われ、またある統計ではコンビニエンス ストアーよりも多いと言われ、歯科医院経営の難しさが喧伝されています。 振り返れば、私が歯科大学にいた頃(昭和50年前後、1970年代)はすでに、歯科大学が多く設立されていて、先 ...
212.堤歯科のマークの由来は?
開業当初、医院のマーク(しるし)を決めるに当たって、前回解説した『ゴシック アーチ』をアレンジ(配置。配列。)しました。 その意図は、歯科治療における特徴的なテーマ(主題)である 、『咬合』に関して自分が生涯拠り所とするコンセプト(概念)を示唆 ...
201.節目に際してー有言右文実行ー
約1年前、開業以来30年にわたり一貫して言い続けてきた、治療解説及び診療姿勢を〝患者さん向け歯科ブログ〝として発信し始め、前回で200回になりました。 患者さんには、今迄だったら理解しづらかったことも、治療への理解がしやすくなったと言っていただき、この ...
138.神経を取る?・・・取らない?
長く放置した虫歯の治療を希望し、来院されたある患者さん・・・ 麻酔し、虫歯を取っている途中で、神経が露出したため、鏡を持って状態を直接眼で確認していただいた後、『やむをえず、神経を取らなければいけません。』と説明をすると・・・納得していただけない。 『 ...
114.原点回帰
今日、還暦を迎えました。先人の言葉に、『40,50は洟垂れ小僧、60,70は働き盛り、90になって迎えが来たら、100まで待てと追い返せ!』という名言があったかと思います。 その言葉を鵜吞みにすると、私は働き盛りに差し掛かったということでしょうか? オ ...
113.治療費顛末記、其の参ー治療費の保証は?ー
特に自費診療において、その保証を尋ねられることがあります。 当院では、半年ごとの検診に来ていただいている限りは、その治療費が無駄になることがないようにしています。治療後のメンテナンスができない状態での、保証を求められても応じることは不可能です。 その理 ...
110.ひとりでも多くの人が歯の健康を得る為に!ー諫言ー
普段、臨床においては、さまざまなことに遭遇します。 私が歯科大を卒業して35年になるのにも拘らず、その当時で既に教育されていなかった、旧来の治療法を最近受けたという症例に、いまだにお目にかかることがありますが、これは一体どういうことなのでしょうか? 以 ...
103.治療費顛末記、其の弐ー自費診療の意味ー
その昔、自費診療というと、ゴールド(gold、金)を使って診療するもの、という時代がありました。治療法や治療技術ではなく、材料にいいものを使う、即、自費という考え方です。 確かに、金合金には数々の優れた特性があり、口の中で半永久的に長持ちするでしょう。しか ...
91.治療費顛末記、其の壱ー困った患者さんー
電話や、いきなりの来院で、費用だけを訊ねる患者さんがいます。……そういう時、お答えすることは控えています。なぜなら、それは医療だからです。 物を売る仕事を軽んじる積りはないので、誤解のないようにしてほしいのですが、買い求める物についての説明も不要で、同 ...
90.矯正治療ーその諸問題、3ー
矯正治療をするに当たり、患者さんにとって、主訴がクリアー(目標をこえる。基準を満たす。)されれば、期間は短く、費用的にも少なく、また抜歯もしないに越したことはないと、思うのは当然のことかも知れません。 一方で本来、医療に携わる者がとるべき臨床姿勢は、治 ...
74.咬合治療雑感ーその2ー
いままでは、主として臼歯の咬合面(噛む面)の形が、どうあるべきかというお話しでした。それは、咀嚼効率を高め、歯及び周囲関連組織への負担軽減を考慮した、さまざまな工夫であったと言えましょう。 これらのことは、1本のクラウンを作成するときも、また咬合調整( ...
70.咬合治療雑感
咬合(噛み合せ)治療といっても、そのすべてが大がかりな全体の治療を、意味するわけではありません。 例えば、クラウン(冠。かぶせ物。)を1本、口の中に入れるときでも、咬合を考慮する必要があるということです。 ある歯科技工士が勤務していました。彼は仕事 ...
60.歯科治療と予防ー我々の仕事を減らす?努力ー
毎日の臨床の中で、いろいろな患者さんと触れ合っていると、治療をしながらも、さまざまなことが頭の中を巡っています。 私たちの仕事である治療を、おおきく二つに分けてみると…… 一つ目は、患者さんの体が治癒に導かれるようにする、なってしまった病気を治す治療の ...
55.医療ー受ける側の希望、携わる側が取るべき姿勢ー
医療を受ける側(患者さん)は、はやく(早くと、速くの両方)、やすく(安くと易くの両方)、痛くなく、歯の治療を済ませたいと思っています。 医療に携わる側(我々歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士、及びその他のスタッフ)は、歯科の専門家として、悪化が予測される ...
36.アポイント制ー突如来襲する暴力、世の営業マンに問う!ー
治療の説明ではありませんが、病院にまつわる出来事であまりにも腹に据えかねるので申し述べます。 アポイント(お約束)制を敷いている理由はすでに説明しました。お約束の患者さんの時間を少しでも無駄にせず、より良い治療を追求するためのシステム(仕組み)です。 ...
20.わたしの野望
私は開業してから約10年間、おこがましくも、歯科界を変えてやろうなどという大それた野望を持っていました。なぜなら晴れて歯科医師になった私が見た、世の中で行われている歯科医療の実態が、大学で学んだ本来あるべき姿からはあまりにも程遠いものだったからです。 ...
15.未必の故意
日本において、患者さんの歯科治療への理解度、向き合い方を推し量ってみると、残念ながら欧米に比べかなり理解不足で消極的であると言わざるを得ません。その根拠は、毎日患者さんと接していると、治療しないで済む方法はないのか?と問われることが非常に多いからです。 ...
14.しんせつ、やさしく、ていねいに!の本当の意味
この言葉を開業以来当院のモットー(標語)としてきました。単なる患者さんへの接し方という意味だけに終わらせず、治療前から、治療中、治療後のメインテナンス(維持管理)に至るまでの、あらゆる場面を念頭に置いた言葉としたいのです。 患者さんの痛みを理解する。 ...