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 *はじめに 国家試験資格を持った歯科衛生士の主な仕事には、歯科医師が行う治療のアシストとしての、治療器具の消毒、滅菌を含む管理/実際の治療の準備/治療時の補助/治療後の片付け等がありますが、何より歯科衛生士の存在価値を高めている業務として、歯周治療にお ...

 歯科における【包括治療】の意味を考えるとき、直訳すれば『歯科にかかわる全てのことを一つに合せひっくるめた治療』となりますが、それは何でもかんでも全体的に手を付ける(治療する)という意味ではありません。 患者さんが受診するには、主訴*があるわけで、それを ...

 四十、五十は洟垂れ小僧 六十、七十は働き盛り 九十になって迎えが来たら 百まで待てと追い返せ   渋沢栄一 この5日に、古希を迎えます。日々、歯科診療あるのみです。 もうこれでいいとは思わず、もっと他により良いやり方があるんじゃないか、自分の知らない何か ...

 この症例は、2017.08.09.に掲載した『357.包括治療 (歯周、咬合、矯正、修復治療)Ⅰ』の続編です。 (初診時口腔内写真。これ以上のデータは実際に掲載されたブログでご確認下さい!) 前回のブログの概略を説明しますと、患者さんは初診時53才、男性、会社役員、右上臼 ...

 60歳、男性、会社員のある患者さん、歯周病の自覚あり。普段なんともない(症状はない)が、疲れ気味、風邪など体調がかんばしくないとき、歯が浮き歯肉が腫れ噛みにくい等の症状が出る。が程なくしてなおってしまうを繰り返している。 通法にしたがい、初期治療としてブ ...

 話すときは、相手の眼を見て話しなさい。世の中でよく言われていることであるし、自分も親からそう教育された記憶があります。 眼を見て話せば誠実さが伝わるし、嘘のない話として信用できると言われています。 しかしながら歯科医師と患者さんという関係からすると、前 ...

 デンタル フロスを使う患者さんにその頻度を訊ねると、『週に1、2回、食べ物が詰まったところに使います。』というお答えが最も多いようです。 まるでデンタル フロスが、歯と歯の間に簡単には取れない線維性の食物が入ってしまった時だけの為にあるかの如く、とらえら ...

 口腔清掃において、歯ブラシの使用に加え、補助的清掃用具としてデンタル フロスを組み合わせ、二本立てで行う清掃法が最もお勧めできる優れた方法と考えています。 しかしながら患者さんにとって補助的清掃用具の一番人気はなんといっても歯間ブラシのようです。おそらく ...

 ラバー チップは刺激子(Stimulator)とも呼ばれ、歯間部歯肉に刺激を与え歯肉を理想的な形態に誘導する役割を担っています。 そもそも歯間部歯肉は歯周病が始まる部分であると言われ、コル*と呼ばれています。そこをくぼみのない小高い丘のような形にすることが、食渣 ...

 歯ブラシを選ぶにはどうすればよいのでしょうか? それは歯磨きの対象が何で、どのような目的で、どのような磨き方をするかによって選ぶ必要があります。しかしその説明をする前に、歯ブラシ全般に備わっていてほしい条件に付いて触れます。 ①ナイロン製で毛が密集して ...

 歯周外科の手術後、通常9日後に抜糸しますが、そこから休んでいた手術部位のブラッシングを再開するに当たり、毛の柔らかい歯ブラシを使用する必要があります。 手術の際、歯肉を切開剥離し、歯根面の歯石、不良肉芽を除去し、歯肉弁を戻し縫合しているので、抜糸後は歯肉 ...

 矯正の患者さんは、治療中のある時、親戚の方が歯科医師で口の中を見てもらい『虫歯ではないか』と言われた、というのです。 それに対し、こちらは診察の上、下顎左側第一大臼歯に仮の歯が入っておりその辺縁部分に露出している象牙質の黒褐色部を指している様なので、フ ...

 まず初診の患者さんですが、右上の部分に痛みを感じることと歯石除去希望で来院され、幾多の質問に対し一つ一つ丁寧に時間をかけおこたえしたわけです。 痛みに関しては、痛みを感じる原因に虫歯、歯周病、ブラキシズムがあると説明し、Ⅹ線で前二者の可能性が低いので後 ...

 歯周外科時、破折の恐れもあったが幸いそれはなく、歯垢、歯石、不良肉芽、感染物質等を廓清して歯肉弁を閉じる。9日後抜糸しウルトラ ソフトで刷掃を、2週後からラバ― チップを開始した。術後三か月間、週一回のペースでプロフェッショナル トゥース クリーニング*(PTC ...

 患者さんは、主に右側中切歯の唇側転位と捻転を主訴に矯正治療を望まれましたが、例え患者さんの訴えがなくとも、咬合及び歯槽骨における歯根の配置を考慮して治療を進めるべきであることは言うまでもありません。さらに矯正前、中、後にわたりプラーク コントロールを維持 ...

 根分岐部病変とは歯科疾患の一つであり、複根歯の分岐部に骨吸収を呈した歯周病の状態をあらわしています。治療法として、歯周病の状態を改善するため根を分割し二本に独立させ、クラウンにて連結固定します。修復後歯間部(元は根間部)は清掃可能になり、良好な予後を期 ...

 この症例は歯を歯周病から救うために、やむなく外科処置を行って通常の歯石除去では取り切れない、歯周ポケット約8mmの原因になっている炎症性物質(歯垢、歯石,細菌、不良肉芽など)を廓清したものです。(大)  ...

 歯科矯正の治療後、装置をはずすと多くの虫歯ができてしまっている臨床例が散見されます。 日本における現在の歯科治療の実態では、矯正治療前、中、後にわたって継続的に虫歯を防ぐための(実は歯周病を防ぐためでもある)プラーク コントロール(歯垢抑制)をする慣習が ...

 近年、セラミック修復においては、研究開発が急ピッチで進み、性状も格段と向上し、審美治療への貢献度は並々ならぬものがあると言えます。  私は、審美とはあくまでも自然で、お口の中に入れていてもそれとわからず、ご自分の歯のように見えるものこそ、そう言えるので ...

  3年前に総義歯を作成した患者さんが今日検診で来院されました。半年毎のチェックを続け今回5回目の検診でした。経過は良好です。 口腔内の炎症はありません。 開口しても義歯は落ちたり浮くことはなく、安定しています。(大) ...

 喰いしばりや歯軋りなどの強い咬合力が原因で、歯と歯茎の境目(歯頚部)に引っ張り応力が集中し楔状、陥凹状等さまざまな形に発生する欠損を意味しています。 過去において恐らく約25年程前迄は、歯磨きでブラシを横に強くかけることが原因と言われており、実際チェアー ...

 2022.05.17.に掲載した『474.定期健診で来院したある患者さんの一症例』の続報です。 今回の定期健診で患者さんが気にしている二つの点、即ち歯の部分的破折及び歯肉退縮はともにブラキシズム*が原因です。以下に参考となる論文の要約を載せますと、  過剰な咬合力によ ...

 1983年3月1日に開業してから、本日41年目に入りました。 いい歳をして!と思われましょうが、まだまだ歯科医療に関する興味は尽きることがなく、もっとこうすればどうなんだろうとか、改善、工夫の余地はないものかと、少しでも進歩したい、良いことは身につけたいと、24 ...

 これを巷ではインレー ブリッジ?と言うらしいですが・・・ そもそもこのような代物は大学でも学ばないし、健康保険でも治療法としてない筈です。 ところが患者さんのお口の中に何故かよく見掛ける訳です。 ある患者さんが最近、これが脱離して来院されました。 患者さ ...

 患者さんは、60歳、男性、食べ物を噛めるようにして欲しいという主訴で来院。事情があって20年来歯科治療をうけておらず、約5年前に脳梗塞を患い、利き手の右に不自由さがありました。(大) ...

    以上は術前の、以後は術後の写真です。患者さんは、前歯の審美性の欠如を主訴としていました。 具体的には、歯と歯の間に隙間があり切端咬合気味になっていることでした。 診査してみると、前歯部における上下顎歯槽骨の関係が逆被蓋の傾向がある上、舌癖が問題と ...

 根だけになってしまった歯の治療はどうするのでしょうか? 歯根に対し単に釘を差し込むような形で差し歯や芯棒(コア、core)を作製することには賛成しかねます。 どうすればいいのかというと、作製するコアの形態を歯根全体を包み込むように、且つそのコア上にクラウン ...

 患者さんは、『前歯が伸びてきた』と訴えている、44歳、女性、会社員です。 これまでの治療は、進行した歯周病であるのにもかかわらず【歯石除去】と称し、ただ表面の汚れを取る処置だったとのこと、その結果として歯が移動してきた訳です。 その【歯石除去】で患者さん ...

 これは当院に通っている何人かの患者さんの、実際に発せられた生の言葉です。 近年、歯軋りおよびその仲間(総称してブラキシズム**という。)による歯科疾患が、虫歯や歯周病と並んで増加しており、今や歯科の三大疾患と言ってもいいぐらいの状況になってきていると思 ...

 巣立ったはずの元の巣になぜか立派に成長したツバメが戻ってきました。 外が激しい雨だからでしょうか? それとも懐かしかったからかな!?(大)  ...

 巣立ったあとの何とも言えぬ淋しさが漂いますが、同時に、生きるための戦いの痕跡が崇高なものに感じられる一刻でした。(大) ...

 今年もまたツバメの巣立ちの季節がやってきました。 いつも思うことですが、せめて人間も鳥並みに親の役目を果たしたいものです。 子ツバメ、がんばれ! 親ツバメ、ごくろうさま!(大) ...

 今回あえてこのような眼をそむけたくなるような写真を呈示いたしますのも、反面教師としてこうなって欲しくないからとご理解ください。 この写真は歯周病が蔓延し最後に抜歯になってしまったときのものです。誰もがご自分の歯がこうなることは避けたいはずで、否定する人 ...

 約5年前にお口全体の矯正治療をした後、必要な補綴及び咬合処置をして終了した患者さんが、6回目の定期検診でいらしたときのパノラマⅩ線写真です。(53歳、女性) 約8年前の矯正治療以前の写真と比較してみました。 矯正前は顎の大きさに比して歯が多すぎるため、 ...

  上の文章は、つい最近定期検診で来院された患者さんが持参したものです。患者さん曰く、『いつもいろいろ聞かれるので、書いてきました。』とのこと。私『・・・さんのお仕事ぶりが察せられますね。』と返しました。 患者さんは、2011.03.11.初診/ 当時45歳、男性/  ...

 過去において、おそらく30年くらい前までと思われますが、虫歯(歯牙齲蝕)と歯槽膿漏(歯周病)が歯科の二大疾患であると言われた時代がありました。 しかしおおよそ1990年を前後して、過剰な咬合力と歯科疾患の関連性及びそれに類する文献が世に出てから、歯科における ...

 感染症対策の一環として、体温を測定するサーマル カメラを導入しました。当院入り口に置き来院者には必ず測定していただいています。(大) ...

 この3月1日で開業40年目を迎えました。引き続き地域医療に邁進してまいります。よろしくお願いいたします。(大) ...

 過去の臨床経験において、ちょっとした咬合調整(噛み合せ調整)をしただけで、劇的な症状の緩和、炎症(歯肉の赤みや腫れ)の消退、動揺の消失、疼痛の消失等が見られたことがあります。 噛み合せの問題は事程左様に繊細さを要求される世界なので、咬合調整をする場合、 ...

  自分自身に根分岐部病変の経験がないので知り得なかったことですが、ある患者さんの治療を通して、会話のやり取りから思わぬ発見があったのでお知らせしたいと思います。 患者さんは、53歳、女性、下顎左側第二大臼歯の根分岐部病炎がありました。ブラッシング(歯磨き ...

 このⅩ線は、初診時、満50歳、男性、会社員のものです。主訴は歯肉の腫れ、歯の動揺等でした。(1988.09.22) 口腔内全域にわたり精密検査をおこない、問題点を列記し、治療計画を作成した。後日患者さんに説明、同意が得られたので、治療を開始した。治療は、外科治療、 ...

 現代人の顎の大きさからして、通常親不知を除いた28本の歯が植立していることが、顎の大きさに見合った歯の本数であると言われています。 何らかの原因で歯を失った場合、われわれ歯科医療にたずさわる者は、当然のこととして、歯を補う(歯を入れる。補綴する。)ものだ ...

  上の五枚の参考資料をもとに、ある患者さんの歯周病治療の実際を解説します。 64歳、男性、義歯の不調に加え、歯のしみ、動揺、食片圧入などを主訴に来院された患者さんです。  問診、Ⅹ線検査、模型検査、口腔内検査等の一通りの診査を経て診断後、治療計画を立案し ...

  上図は、普段の臨床で患者さんに初期の歯周病の説明をする際に使っているシェーマです。健康と病気を対比させることで、その違いを知ってもらい理解を深めていただいています。 この段階で患者さんに対し施行すべきことは、第一に、きちんとした歯周ポケット測定による ...

 歯周病を治す為、通法に従い治療を進めてきた段階で、歯周ポケットが減少すれば治癒とみなしますが、意に反して減少せず外科処置が必要と判断せざるを得ない場合があります。 患者さんにその旨説明すると、同意していただけないことがあります。外科処置の可能性は歯周治 ...

 当歯科では、1993年にチタン製のインプラント治療を開始し、現在まで27年間で1000本以上を数えるに至り、約99%の成功率を維持しています。 その中で気が付いたこと・・・これは前回のブログで説明した優位点とは異なる、時間が経過してはじめて明らかになる、インプラン ...

 インプラント(Implant、人工歯根)治療には、主に以下のような意義があると言われています。それを列挙すると、❶無歯顎(歯が全く無い方)で総義歯治療では審美、機能の回復及び患者さんの満足が得られない場合。❷2歯までの中間欠損でブリッジによる修復が可能ですが、 ...

 初めにお断りしておきますが、これから書くことは、私の診療室に来ていただくことを目的として書くわけでも、不必要な治療への誘導を目的として書くわけでもありません。 わたくしの望みは、一歯科医師として、全く【なっていない】日本人の歯や歯に関わる健康意識とその ...

 この度、元のブログ名の前に『歯科ブログ』を付け加え、【歯科ブログ/堤歯科のスマイル良い歯】としたことをご報告いたします。 旧名の【堤歯科のスマイル良い歯】では、『ブログか何かわからない!』というご意見をいただき、対処しました。 もともと個人的なことは排 ...

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